全体見通し
市場は10月第2週を、すでに9月の非農業部門雇用者数(NFP)の発表を遅延させ、週間失業保険申請件数の公表を停止させている米国政府閉鎖の中で迎えました。9月のISM非製造業指数は50.0(前回52.0)に低下し、勢いの鈍化を示すとともに、利下げ期待を維持させています。ユーロ圏では9月の消費者物価指数(CPI)が前年比2.2%に上昇しましたが、10月9日(木)に公表されるECB理事会議事要旨が今後の政策経路の手掛かりを与えると見られています。金は先週に約3,896ドルの史上最高値を付けた後、高値圏を維持しており、ビットコインも8月の記録的水準である約124,000ドルに迫っています。
EUR/USD
先週のユーロドルは1.169–1.177の狭いレンジで推移しました。ECBの速報CPIは堅調でしたがタカ派的とは言えず、米国サービス業の鈍化を背景にドルは軟化しました。今週はユーロ圏小売売上高(月曜)、ドイツ鉱工業生産(水曜)、ECB議事要旨(木曜)に注目が集まります。米国側はNFP欠落とISM非製造業の弱さで、依然として政府閉鎖によるデータ不足の影響を受けています。ECBの10月1–3日の参考値は1.172–1.175付近で推移しました。1.1760を明確に上抜けすれば上値テストが視野に入りますが、ECB議事要旨が予想外にタカ派的でない限り、1.16半ばでは押し目買い需要が見込まれます。
- レジスタンス: 1.1760–1.1800、その後1.1850
- サポート: 1.1700–1.1680、その後1.1640
- トレード見解: 1.1700を上回る限りはやや上方向優勢のレンジ。1.1800付近では戻り売り優勢、ただしECB議事要旨や米国データがサプライズとなれば別。
XAU/USD(金)
金は先週末に3,860–3,885ドル付近で引け、先週木曜の記録(約3,896ドル)に迫りました。政府閉鎖や米国サービス業の弱さが安全資産需要と利下げ観測を後押ししました。市場調査では政策不透明が続けば4,000ドル到達リスクも公然と議論されています。短期的にはドルや実質金利の動向に左右され、浅い押し目では買いが入りやすい状況です。
- レジスタンス: 3,900–3,940ドル、その後4,000ドル
- サポート: 3,820–3,780ドル、その後3,740–3,700ドル
- トレード見解: 3,780ドルを上回る限り押し目買いで3,900/3,940ドル再テストを狙う。ドルが大きく反発すれば3,740–3,700ドルへの下落リスク。
BTC/USD
ビットコインは122,000–124,000ドル台まで上昇し、8月の史上最高値に約1%の水準まで迫りました。金と同様、安全資産需要と流動性観測が上昇を後押ししました。政府閉鎖でマクロ指標の視認性が低下する中、暗号資産はリスク市場やドルの動きに追随しています。直近高値を上抜けて週足を確定できれば新たなブレイクアウトモメンタムを示唆しますが、117,000–114,000ドルを維持できなければ、110,000ドル前半への深い調整リスクとなります。
- レジスタンス: 124,000–128,000ドル、その後132,000ドル
- サポート: 117,000–114,000ドル、その後110,000–107,000ドル
- トレード見解: 117,000ドルを上回る限りは順張りロング優勢。128,000ドル付近ではリスクセンチメント悪化時に戻り売り有利。
重要日程
- 10月6日(月): ユーロ圏小売売上高(8月)。
- 10月8日(水): ドイツ鉱工業生産(8月)。
- 10月9日(木): ECB理事会議事要旨。米国週間失業保険申請件数は政府閉鎖のため公表停止。
- 週間を通じて: 米国政府閉鎖の進展、FRBおよびECB当局者による随時発言。
結論
10月6日から10日の週は、ユーロドルは1.1700を上回る限りはレンジながらやや上方向を模索。金は政府閉鎖に伴う不確実性や米国サービス業の弱さを背景に浅い押し目で買い支えられやすい。ビットコインは124,000ドルを明確に突破すればブレイクアウト確定、さもなくば117,000–114,000ドル方向へ調整の可能性。
NordFXアナリティカルグループ
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