まず、先週のイベントを振り返りましょう:
- EUR/USD. 米国とヨーロッパ国債の急騰は、株式市場だけでなく、主にユーロとドルの資金調達をサポートする“キャリートレード”にも打撃を与えました。 通常は、低金利通貨で資金調達がされることを思いだしましょう。キャリートレード戦略では、トレーダーは低金利通貨を借りて、金利の高い発展途上国などのほかの通貨で運用します。そして、今、リスク感情の低下がこのような取引から離れて、ユーロ―とドルの両方の強さに繋がりました。明らかに、このペアの持ち合いだと解釈できます。そして、週前半、ドルが優勢ということで、投資家は2月17日水曜日からより安いユーロを買い始めました。結果、1.2120の水準で今週始まったEUR/USD は、ほとんど同じ水準の1.2115で終了しました。;
- GBP/USD. ポンドは上昇を続け、2018年の高値に近づいています。このペアは2月19日金曜日に心理的に重要な水準である1.4000を突破し、週高値1.4035を記録しました。わずかにリバウンドした後は、同水準の1.4000で取引を終了しました。
アメリカ通貨は、米国労働市場の弱さからイギリス通貨に対し下落です。投資家は、第一回目の失業手当の申請数を848000件から765000件の減少を予想していましたが、逆に、1週間で861000件という増加でした。第二回目の申請も明るい材料ではなく、予想されていた441.3万件に対し、455.8万件から449.4万件の減少でした。米国経済が前水準に回復するには1年以上を要し、新たな経済措置が必要であるとしたFRSの声明を投資家はすぐに思い出しました。
しかし、イギリスが先週発表した消費者市場と事業活動は良好です。2月のMarkit指数は39.5に対して49.7であり、経済活動の成長とその低下を分けるしきい値である50をわずかに下回っています。この数字はイングランド銀行によるQE政策の資金割当や金利引き下げを控えることにより投資家の信頼を再び強めたものです。結果、GBP/USDは、さらに上昇し、次の重要なマイルストーン- 1.4000に達しました; - USD/JPY. このペアの主な傾向は、EUR / USDと並んで、先週の予想外れの米国労働市場データーと国債利回りの急上昇によって決定されました。2月15日月曜日に発表された日本のGDP は、予想よりはるかに良いものでした(3.0% 対 2.3%)が、市場感情に影響を与えず、このペアのレートはアメリカ主体であることを再度、表しました。
先週の専門家の意見がほぼ同数に分かれていたことを思い出しましょう。: 40%が上昇支持。30%が下落、残りが横ばい。総じて、すべてが正しかったようです。このペアは、週前半は上昇し、106.20の高値に達し、その後、下落、5日間の終わりは、2月8日の始値近くの-105.40で終了しました。; - 暗号通貨. 私たちの予想通り、ビットコインは$50,000の価格帯に達し、この執筆時では 、$55,000の相場です。 2月1日以降、ビットコインは約60%増加、イーサリアム(ETH / USD)の上昇は50%弱で、この3つの主導はライトコイン(LTC / USD)の80%でした。
一般的に暗号通貨は、とても良好です。アメリカの銀行のような保守的な機関ですら、その方向性に目を向けています。アメリカで一番古い銀行のBNYメロンは、ビットコインやその他の暗号資産の運用を開始について発表しました。ほかにも有名なJPモルガンチェースも、ビットコイン取引のサポート予定です。JPモルガンチェースは1月に世界中の何千というトレーダーとプロフェッショナルなセールスが参加したバーチャル会議でBTCに対する関心について質問したことが知られています。そして、先週は、別の銀行、ゴールドマンサックスでも、暗号通貨をトピックとした従業員と顧客向けの非公開フォーラムがあり、講演者は、GalaxyDigitalのCEOであるMikeNovogratz氏でした。
多くの米国の政治家や当局側の発言も、デジタル資産の価格にプラスの影響を及ぼしています。例えば、マイアミのFrancis Suarez 市長は、既に合法的な暗号通貨のために、いくつかのステップを踏んでいると発表しました。“私たちは、潜在的な投資家向けにビットコインを利用可能にします。また、従業員がビットコインで給与を受けられるようにすること、これは大きな前進です” と彼は、ツィートしました。元ニューヨーク市長候補者であり、元大統領候補者でもあったAndrew Young 氏は、同僚を支持し、彼は暗号通貨センターになる世界の金融センターにすることも試みていると述べています。そして、セントルイス連邦準備銀行のジェームス・ブラ―ド総裁は、ビットコインは金に匹敵すると示唆しました。
機関投資家は、暗号通貨とマイナーと暗号通貨ファンドの株式の両方の購入を続けています。つまり、Grayscale Investments fundは、 先週、イーサリアムのポートフォリオに20,000 ETH追加し、60億ドルにしています。 BTC / USDの上昇のもう1つの推進力は、さらに9億ドルを購入することにしたMicroStrategy の決定でした。
全体として、供給/ 需要の比率がビットコインのサポートをしています。: 2020年の直近5ヶ月間に150,000 BTCの採掘と約360,000の買い戻しがあり、投資家はこのバランスが将来的に続くことを願っています。
同時に、バイヤーは、テスラ―社の責任者であるイーロン・マスク氏のツィートだけを見て、相場の急上昇を押し上げます。しかし、米国証券取引委員会(SEC)は、証券の提供と広告や未登録証券業関する法の下に関して、また、市場操作に関して、ビリオネアのデジタル資産の購入選択に懸念を持ち、ツイッターの彼の "独創性"に関心を向けています。証明されれば、イーロン・マスク氏は巨額の罰金に直面することになります。一方で、彼は一休憩し、少なくても近い将来、もはやツィートに投稿はしないだろうと言っていました
暗号通貨市場の時価総額に関しては、イーロン・マスク氏のツィートがなくても、1週間で1兆4580億ドルから 1兆625 0億ドルへと上昇しています。 そして、Crypto Fear & Greed Index は、ゆっくりですが、容赦なく最大値100 ポイントに近づいています。現在は、93ポイントで市場の大きな過熱ぶりを示しています。
今週の見通しに関しては、多くの専門家の意見の要約及び様々なテクニカルな方法とグラフ分析に基づき次のように言えるでしょう:
- EUR/USD. 欧州連合は、コロナウィルスのパンデミックにより、依然として制限された封鎖下にあります。しかし、アメリカが期待通りに全てがバラ色であるとは限りません。失業保険の第1回目の申請数の増加による労働市場の弱さがドルに圧力をかけました。
ECB幹部の声明から、欧州の債券利回りが上昇を続けたとしても、銀行が量的緩和(QE)プログラムの量を増加する可能性が低いことはわかります。ECB理事会の当局側は、講じた措置で十分であり、最大限の効果を発揮するまでには少し時間がかかると考えています。
状況は、大西洋側では正反対です。ジャネット・イエレン財務長官の米国議会への働きかけと2月18日に発表された連邦準備委員会の議事録によると、 QE の量は増加を続けるでしょう。軟調な金融政策は、この国の経済が着実な成長を示すまで続きます。次の措置は、1.9兆ドル相当の刺激策の導入です。
このような状況では、中期的にはドルの下落、そして、まず、1.2200-1.2300圏内にドルは上昇し、それから、1.2350の1月の高値に戻る予想が論理的です。65%の専門家は、このシナリオに同調しています。しかし、週間予想は、この図式と違います。
多く(70%)の専門家は、このペアは近い将来に1.2020 水準のサポートに再度試行すべきであり、2月5日の安値 に試行する見方をしています。H4とD1のオシレーターの15%が買われ過ぎシグナルを出しいるので弱気の展開になっています。
残りのオシレーターと並んで75%のトレンドインジケーターは、グリーンが表示されています。しかし、二つの時間枠でのグラフ分析では1.2020-1.2155の範囲での保ち合いを描いています。
今週の指標に関しては、2月22日月曜日のECBクリスティーヌラガルド総裁と2月24日水曜日の米国議会でのジェローム・パウエル連邦準備理事会議長の声明は、2月25日木曜日に公表される米国の年間GDPと耐久受注量と並んで関心を引くでしょう。; - GBP/USD. H4とD1に関してトレンドインジケーターの100%とオシレーター 85%が上を示しているのは明らかです。 残りの15% のオシレーターは、このペア―の買われ過ぎを示しています。圧倒的多数のアナリスト(75%) も、下落への修正を待っています。事実、彼らの意見では、来週ではないかも知れませんが、3月前半に起こるかもしれないとしています。サポートレベルは、1.3950, 1.3850, 1.3775, 1.3600。
イギリス通貨の上昇の可能性は、今のところ尽きていません。そして、すべてがUSあるいはUKの自国通貨にさらに圧力をかける構造的問題に起因しています。これは、量的緩和と金利だけでなく、国債の発行と金利に並んで、予算の超過支出による高いインフレリスクに言及します。
このレビューのはじめで、米国労働市場がこのペアの動きにどのような影響を与えたか述べました。英国の労働市場に関するマクロ統計も来週の2月23日火曜日に公表される予定です。かなり楽観的に見えるなら、GBP/USD の上昇が続くことが期待されるでしょう。その他のイベントには、前日の英国首相によるスピーチが含まれます。通常、ボリス・ジョンソン氏は、詳細については話しませんが、パンデミックとの戦いによる彼の内閣の成功、記録的なワクチンの接種のペース、ブレグジット後のEUとの関係の進展については熱心に話すことでしょう。; - USD/JPY ... 104.40-105.40は、この30年間に、このペアが何度も訪れた圏内です。これは、102.60-107.00が中期的に横ばいのピボットポイントであると言えます。 ちなみに、半年ごとに分けた場合の最大取引幅は440ポイントなので、実際にはそれほど素晴らしくはありません。例えば、10月ですが、このペアはたった一日で、240ポイント でした。
現時点では、専門家の35%のみが、このペアがこの取引範囲での上値支持をまだ完了していないと考えています。事実、、D1のオシレーターの75%とトレンドインジケーターの80%は、彼らと同じで、この予想にさらに支えています。レジデンスレベルは、105.70, 106.20,目標は、107.00です。
反対の見解は、アナリストの65% で、月次予想になると80% に増加します。今回はH4で、同じような数のインジケーターがあります。サポートレベルは、105.00, 104.40, 103.60, 目標は102.60です。
グラフ分析は、弱気感情が優勢で、このペアの取引幅104.40-106.20での変動を示しています。
- 暗号通貨. ビットコインが上昇するにつれて、市場での購入者は減少していきます。最大の撤退の一つは12月に遡って、ビットコインが史上高値の$20,000に達した時です。ビットコインが$40,000に上昇に続いてに買いポジションの決済段階になりました。強く耐え抜いた投資家と暗号通貨ファンだけが、$50,000に到達しました。
ビットコインは買われ過ぎです。しかし、2月19日金曜日の夜に価格が55,000ドルを超えると、活発な売りはありませんでした。市場は予想どおり凍結です。しかし、警報は既に来ています。
まず、売り手のシェアがこの2週間に18% から35% に増加しています。次に、約2/3のトレーダーは、レバレッジを使った無限先物契約での購入であり、結果、ロングポジションを維持する一方で、より高い資金レートや手数料になります。最後に、マイナーのシェアが下がったことです。
CoinDeskによれば、ビットコインマイナーの2月8日から14日までの週間収益は3億5400万ドルの新高値を更新しました。前回の7日間での記録は、3億4000万ドルで、2017年の12月に記録されています。しかし、このポジティブな結果にもかかわらず、例えば、の株価は2月18日だけでも20%下落しました。
しかしながら、多くの専門家は、新しい暗号通貨の冬を待つ価値は無いとしています。かなり下げるかもしれないですが、ただの修正です。さらに、硬直的ではあるものの少量のビットコインは$60,000-65,000の上昇の可能性があります。買い勢力の新しい波はFOMO - ロスト・プロフィット・シンドローム(取り残されることへの恐れ)によって起こるでしょう。結局のところ、恐れと貪欲によって市場が動かされていることが知られています。
自称ビットコインの考案者Craig Wright氏の姉(妹) Lisa Edwards氏は、ビットコインは$142,000に上昇すると予測しています。エリオット波動に基づいて、彼女はデジタルゴールドが2021年5月までに$90,000に上昇、2022年1月までに$55,000に下落、2023年3月に$142,000に急騰すると示唆しました。Edwards氏よれば、その後の暗号市場は弱気傾向になると予測しています。
しかし、近い将来、BTC/USD の上昇が続くにしても、現在の水準での購入には非常に注意が必要です。ほとんどのアナリストは、かなりのリスクがあると懸念しており、値下がりを待ってから、新たに買いポジションを開くことを提案しています。
NordFX Analytical Group
注意: これらの資料は、金融市場での投資推奨でもガイドラインでもなく、情報提供のみを目的としています。金融市場での取引は、リスクがあり、結果として入金した資金を全て失うことがあります。
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